町田市原町田4丁目の精華学園高等学校 町田校で開催されている実践心理学講座には開催されている場所柄もあってか、不登校・ひきこもりの子どもを持つ親が参加していることが多いです。

1.親、子ども、先生がフラットに集うメリット

実践心理学講座に参加する人に上下関係はありません。小学生、中学生、高校生、大学生から教員、医師、経営者、技術者、お父さん、お母さん、、、全員が対等に関わることができます。

ある時、その日の会のテーマで「大人と子どもの違い」という話し合いをしている時も小学生から出た意見が会場を沸かせていました。

「大人はハーゲンダッツを食べていい。子どもは100円まで!」

「大人はゴミの日を知っている。子どもは知らない。」

「ルールを決めるのが大人。守るのが子ども。」

年齢にかかわらず、対等に関わるという体験をすると子ども、生徒だけでなく、大人にも大きな変化をもたらします。

「新聞の情報は作られた情報なのになんでツイッターで確認しないの?」

そんな風に言われて、はっとしている人もいます。不登校の子どもを家に残して参加している親は参加している中学生、高校生をつかまえては我が子の気持ちを教えてもらっています。

「外で習った心理学を家で試しているのバレバレですよ」

そう言われてまた親がはっとする。「我が子に聞けない子どもの本音を愛をもって伝えてもらえることは親として本当に助かります」参加者のお母さんがよく口にする言葉です。

2.町田駅の良さも

町田駅のターミナル口から出て、徒歩1分という立地もあって、原町田の人だけでなく、高ヶ坂、木曽、図師、忠生、鶴間、成瀬、森野など周辺に住んでいる人たちも集まっています。バスで通ってくる人もいますが、中には自転車を郵便局の駐輪場にとめて参加していたり、駅から少し離れた安い駐車場まで車で来る人もいます。

町田にはお店が多く、原町田商店街でマグロ丼や焼き鳥屋さんの弁当を買ってきたり、近所にある富士ガーデンでお弁当を買って、会場で食べている人もいます。喫茶店も多いので、ターミナル口のカフェドクリエや駅のスタバなどには参加者が集まっていることもあります。

実践心理学講座の前後でもコミュニケーションを取りやすい環境もこの不登校児の親が集まりやすい一因なのかもしれません。

3.親を卒業する場所

子どもが自分の意見を主張し始め、親の言いなりをやめ、不登校といえども自立をし始めるのは良い傾向でもあります。このタイミングで親が不登校であることを隠したり、自分たちだけでなんとかしようとすると不登校の問題はどんどんこじれていきます。このような状況は「自立」のきっかけと理解した方がうまくいきます。

子どもが中学生、高校生になって、「学校に行かない」「親とうまくいかない」そんな状況になった時には親はこの実践心理学講座にいる大人たちに子どもを預けます。何でもかんでも親だけでやることをやめ、この会に参加しているたくさんの大人たちに子どもを育ててもらおうと割り切ります。

そうすることで不登校だった子どもも自分なりに相性の良い大人を探し、手がかりを得て、親から離れていきます。それが登校に直結するかどうかはわかりませんが、少なくとも自分なりに自立した進路を模索するようになります。今の社会、高校を卒業していないと専門学校にも入れませんから、どんな進路を選んだとしても高校を卒業することになります。

4.高等学校を経営している理由

高等学校をみずから経営することは簡単なことではありません。合法的に子どもたちを育て、進学させるにはさまざまな条件があるからです。それでも高校をみずから経営しているのはメンタル不全になった高校生を助けるのが最も難しいからです。

中学生は義務教育ということもあり、カウンセリングを続けるだけでも何とかなることが多いです。大学生や大人はその人に合った就労先などを探しながらサポートすれば形になります。でも、高校だけは自分の意思で頑張らないとうまくいかないことが多いだけでなく、高校を中退したり、3年間で卒業できていないと学歴に傷がついてしまいます。そして、それは一生の影響になります。たまたま、悩んだのが15歳前後だっただけでこのダメージになるのは厳しいだろうなと高校を始める前から感じていました。

精華学園高等学校は山口県に本校があります。

通信制高校にはさまざまな種類がありますが、日本中で2校を除いてすべての学校は本校に通わないといけません。正確に言うと本校だけが本物の高等学校で近所の駅にあるのはサポート校という私塾です。近所の塾に通わせながら、年に1、2回のスクーリングを本校で行う。これが日本の通信制高校のスタイルです。私は自分自身がひきこもりでしたので、不登校・ひきこもりの子が北海道や沖縄にある本校に1週間も通えるのか疑問でした。通わなければ合法的に卒業することができないからです。これをクリアする方法は2つあります。ひとつは「通ったことにしてしまう」これは完全に違法です。もうひとつはどんな手段を使ってでもスクーリングをさせる。これは当人にとって地獄の苦しみです。

精華学園高等学校は上記のパターンに当てはまらない特殊な通信制高校です。
町田市原町田にある精華学園高等学校 町田校が「私塾」ではなく、「学校」という扱いにできるたった2つの高校のひとつなのです。町田駅周辺にも通信制高校はたくさんありますが、基本的にそれらは学校そのものではありません。ですから、何日通っても「学校」に行ったことにはなりませんし、当然、「通学定期」も購入できません。精華学園高等学校は「学校」なので、それらをクリアしている。それが私がこの学校を選んだ理由です。

2月入学でもギリギリ出席日数が足りる

そして、通信制高校は通う日数が極端に少ないというメリットがあります。取得する単位数にもよりますが、80時間程度スクーリングをすれば1年間の出席時間をクリアできます。2週間ちょっと真面目に通えば、クリアできてしまう時間数です。

全日制に通っていたら、出席できていない生徒は2学期には日数が足りなくなり、「進学できない」「卒業できない」と言われてしまいます。つまり「アウト」です。

しかし、その後、1月(2月は本当にギリギリ)に転校して、真面目に通えば、何事もなかったかのように進学できてしまうのです。もちろん合法的に。

制度の差を使って、不登校の子どものサポートを

通信制高校の出席日数が少ないという特徴を使って、不登校の生徒のメンタルケアをする時間を稼ぎ、体勢を立て直し、3年間で卒業できるようにするのが私たちの役割だと思っています。