実践心理学講座でもよく取り上げている「自己肯定感」。
最近は、巷でも当たり前に使われる言葉となりましたよね。

でも、私がこの絵本【ペンギンゴコロ】と出会った1998年は、まだその言葉は一般的ではありませんでした。
この絵本にも「自己肯定感」なんて言葉は使われていませんが、そういうテーマを持っているようです。

【ペンギンゴコロ】 さかざきちはる作
「わたしのココロはペンギンの形をしている。ペンギンなのでもちろん白と黒にぬりわけられている。……………」

「いつか、『自分は自分で良い』とか、『自分は自分で良かった』なんてことを思える日が来るのかな?
ペンギンさんはすごく可愛いじゃないか。
『自分で良い』と思える人は、可愛いとか、何かに秀でているとか、愛されキャラだからじゃないか。」

当時はそんな感想を持ったことを覚えています。
「自分は自分で良いなんて思いたくもない」、「自分で良いなんて思う自分にゾッとする」
そんな風に思っていた頃もありました。

今はそんな頃の自分をヨシヨシしてあげたいです。

「自分は自分で良い」と思っていなかった当時の「自分は自分で良い」と、
後日理解する『自分は自分で良い』とは、同じことを言っているようで、同じことを言っていない、
軸のズレた話でした。

このズレは、自己否定の世界にいるままではどうやら見えないらしいのです。
自分は自分で良いってこういうことかと、体感すると見えることのようです。

自己否定から自己肯定に感覚が移ると、
これまで漠然と不安に覆われていた自分を取り巻く空気(世界)が、安心感に変わります。
枯れている、塞がっている、くもっている、足りない・・・そんな心の中が
満たされた安らかな空気感に自然と変わるのです。

一人でも多くの方に、そんな安心の空気感に包まれてほしいと思うのです。