傾聴には「うなづき」「あいづち」「伝え返し」などのテクニックがあるとよく言われますが、最も重要なのは「傾聴における態度」です。

人はコミュニケーションをするときに「うなづき」の回数に反応しているでしょうか?よくよく考えてみると「うなづき」や「あいづち」がたとえ適切でも嫌いな人の話は聴きたくないし、頼りない人に自分の悩みを話そうとは思わないものです。それよりも重要なのは態度です。

目 次
1.どんな人物として関わると良いか?
2.誠実さ
3.この人みたいになりたいな
4.完全に理解する


1.どんな人物として関わると良いか?

話を聞いてもらう時に相手の姿、存在はとても大事な要素です。いじわるなことを日々している人にテクニックを使って傾聴をされても「話を聞いて欲しい」とはなりにくいものです。人にはさまざまな存在、キャラクターがあります。「警察官」のような雰囲気が良いか?「スポーツマン」がよいか?「音楽家」のような雰囲気がよいか?それは話をする人にもよります。小学生に対して傾聴をするのか?高齢者に対して傾聴をするのか?それによって、「あり方」が変わってきます。

 


2.誠実さ

傾聴において、最も重要な態度(あり方)は「誠実さ」です。例えば、「私はうつ病なんです」という人に対して、「そうですか。それは大変ですね。」と受け答えしたとしたら、それはあまり誠実とは言えません。なぜならば、うつ病は人によって個人差があり、状況も異なり、これまでしてきた対処方法が異なるからです。それなのにうつ病と聞いただけで、全てがわかってしまったかのように答えるのは誠実とは言えません。

誠実に細かい部分まで耳を傾けたり、一般論や正論を押しつけたりせずに聞く態度が重要です。きちんとあなたのことをただしく理解したい」といった誠実な態度が話し手の心を開きます。

 


3.この人みたいになりたいな

悩んでる人は例えば元気になりたいと思って相談にきます。その相談に答える人が辛そうだったり、暗かったり、落ち込んでいる様子を見せれば悩んでいる人は話をすることができません。逆に、話を聞く人が話をする人にとって、「ああ、この人のようになりたいな」と言う存在であれば、おのずと傾聴はうまくいきます。このように思ってもらえるように振る舞う。これが傾聴するときの理想的な態度です。

 


4.完全に理解する

人は自分が普段接している職業や概念などに対して、過剰に「知っている」と言う対応をとりがちです。例えば、子育てをしていると他の人の子供を知らないのにその子を知っているかのように「そういう時はこうするのよ」とアドバイスをしたりします。しかし、そのアドバイスの前に想定していた子供像がその話題になってる子供と一致しているとは限りません。

ひどい人は対象となる子供の性別や学年も聞かずに一般論を語り始めます。これではもはや誰に対するアドバイスか分からなくなってしまいます。傾聴するときの態度として、相手は特殊な環境にいて理解しにくい状況なんだという前提で慎重に話を聞いていく必要があります。

 


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傾聴をするときにあるべき態度が身につくと、コミュニケーション自体の質が変わってきます。それが人生全般のコミュニケーションに影響するからです。