フォーカシングにおけるハンドルと論点整理
フォーカシングとは?
フォーカシングが生まれるきっかけとなったカウンセリングの研究で次の事がわかりました。カウンセリングにおいては、ペラペラと自分の事を説明できたり、流暢に話す人よりも言葉にできない何かを感じているけれどもうまく話せない人のほうが大きく変化しやすいという事がわかりました。それならばカウンセラーがそんな曖昧な感覚にクライアントさんを誘えば変化が起きにくいクライアントさんでも変化できるのではないか?それがフォーカシングの最初の気づきでした。
感じられた意味を持つ感覚(フェルトセンス)
私たちは言語化できないある感覚、何かを感じながらいきています。そのような身体が受け止めた感覚(フェルトセンス)を探るように身体の内側に意識を向ける方法がフォーカシングです。フェルトセンスはとても曖昧でつかみ所が無く、言葉にしにくい事も良くあります。そんな曖昧な感じと向き合う事でグルグルと論理的に考えているだけではわからなかった「気づき」を得る事もできます。
フォーカシングにおけるハンドルとは?
フォーカシングの中にはハンドルと呼ばれる、取っ手のようなものがでてきます。綿菓子に割り箸が刺さっていて、それをつかむと雲のようでつかみ所が無い綿菓子をつかむ事ができるのに似ています。あるいはスーパーの袋に不安定にいろいろなものが入っている状態でも持つところをつかんで上に引き上げると安定して持つ事ができます。
フォーカシングのハンドルとはそんな取っ手や持つところに似ています。それさえしっかり持っていれば、袋の中に何が入っているかは気にしなくてもその何かを持ち上げる事ができるのです。フェルトセンスの多くは言語化する事が難しいものですから、ハンドルを明確にしてそこだけをつかむようにするのです。
ハンドルがわかるとポイントがわかる
ハンドルの見つけ方が上手になると曖昧なでつかみ所が無い感覚、概念、ストーリーを簡単につかむ事ができるようになります。「要するにこういうこと」というその名前や表現がハンドル自体である事が多いからです。フォーカシングに限らず、ハンドルを意識しながらカウンセリングをする事によって、ポイントを押さえながらカウンセリングをする事ができるようになります。特にメモをとるのが苦手な人はフォーカシングのハンドルの概念を充分に学び、練習する事でメモが上達します。メモが上手な人はハンドルだけをメモしているからです。