公認会計士試験と謙虚な努力
用量がよかった私
公認会計士試験に合格したときが生きていて良かったと痛感した瞬間です。
私は小さい頃から何をやっても大した努力なしにある程度平均以上の成果を出すことができました。習い事で通っていたスイミングスクールでの大会ではほぼ毎回表彰台にのぼることごできたし、中学受験のため通った塾では成績順に座席が決まっていましたが100人中10番以内には入っていました。
私は自分のこうした性質に甘え、無我夢中になって必死に努力をするということをしたことがありませんでした。大学受験の時も塾に通ったり図書館に通ったりしていましたが必死に勉強したかというとしていないと断言できます。
一念発起して会社を退職
大学に入学後、公認会計士試験合格を目指し勉強し始めましたが、少々の要領の良さ程度でどうにかなる試験ではなく、カリキュラムについていくことが出来ず、試験では足切りでした。そんな状況になっても必死に努力することから逃げ、難しい試験だから受からない方が普通などと負け惜しみを思いながら自分のプライドを保ち、一般企業への就職へと逃げました。
しかし、周りの友人にはコツコツと努力し続け公認会計士になった友人も何人かいたため、私はずっともやもやがとれず、一生に一度位は死ぬ気で努力したい、というより努力をしないと人としてお終いだと思い、会社を辞め、再び会計士試験に取り組みました。
再挑戦の時は毎日8時から22時まで講義の受講、講義の内容の予習復習に取り組みました。試験前には試験に特化したテキストを8回転し、全部で1,000ページ以上あったテキストを1日で1回転出来るようになるまで覚えこみました。試験当日はやりきった気持ちで本番を迎えることができ、一次試験の短答式試験に受かることができました。しかし、二次試験の論文式試験では得意科目を伸ばすことに重点を置き苦手科目から逃げていたため、試験には合格できませんでした。自分では少し成長したつもりでしたが、やはり嫌なことにしっかり向き合い努力することから逃げていました。
繰り返し繰り返し謙虚に努力
2回程論文式試験に落ちた時にようやくこのままじゃダメだと思い、恥をしのんで講師に基礎の基礎から個別に質問を行い、少しずつ理解度を深めていきました。その科目については最後の模試までまったくいい点をとることができませんでしたが、本番に出来ていれば問題ないと割り切り、ひたすら復習に重点を置いていました。通常は試験直前になると私の苦手科目は現状維持に留めて他の追い込みで点数が伸びる科目へ勉強量をシフトするは人が多いのですが、私は苦手科目を克服しない限り合格はないと思っていましたので直前まで苦手科目の勉強量をかなり多めにしていました。
3回目の論文式試験では苦手科目の偏差値は合格レベルのちょい下でした。しかし、ある問題では60を超える偏差値を取ることができたため、苦手科目の足のひっぱりを最小限に留めることができ、ようやく合格をすることができました。
ずっと努力することができなかった私でも努力することができるということを知れたこと、また、本気で努力し方向性さえ間違わなければ努力は報われることを知れた公認会計士試験の勉強および合格は生きていて良かったと痛感した瞬間です。
合格と不合格
大学入試や資格試験には合格したほうが幸せなのでしょうか。
受かっても落ちてもその後の人生をどうするかはあなた次第です。
この人のように難しいことがあることを悟りうぬぼれずに努力していくことを理解して謙虚に努力できるようになるかもしれません。
しかし、普通に合格してしまっていると謙虚になることを知らず、ある種の傲慢さが身についてしまっているかもしれません。
どのような人生を送るかは常にあなた次第です。