引きこもりでも大人と関わることで「生きる」ことに目的を見いだせる。精華学園町田校の入学式に参加してきました
4月になると、桜の開花と並んで新しい季節がやってきます。
椎名先生が校舎長を務める精華学園高等学校町田校にも、入学式と共に新入生が入ってきました。
学校の入学式といえば、先生の話が長かったり、教科書に名前を書くのが面倒になったり、両親の方がそわそわしているような思い出はありませんか?
4月7日に行われた町田校の入学式は、和やかな雰囲気で今まで経験してきた入学式とは少し違うものでした。
このページの目次
精華学園高等学校町田校とは
精華学園高等学校町田校は、不登校や引きこもりで学校に行きづらくなってしまった子どもたちが、ゆっくり学校に通うことや人生の先輩をみつけられるようにと、悩める子どもたちを受け入れている高校です。
他にも通信制の高等学校は多くありますが、卒業だけを目標とせずに、大人と関わることで得られるワクワクした気持ちを大事にした個別ケアと、一人ひとりに寄り添うカリキュラムが特徴です。
椎名先生は、町田校の校舎長として学校に行きづらくなった生徒さんのカウンセリングも行っています。
保護者の方も一緒に心理学を学びながら、お子さんと一緒に成長できる場面を設けられているのが、他にはない特色ですね。
町田校で入学式が行われました
今年の新入生は5名。
卒業式のときも驚きましたが、町田校では在校生と一緒に卒業生が式に参加してくれます。もちろん、参加は自由なので強制ではありません。
式の準備をしながら、在校生と矢部先生が談笑していると新入生が到着です。
ここで驚いたのは、卒業生の積極的な挨拶。
おはようございます!
おはようー! はじめまして!
初めてで戸惑う気持ちを汲みとったのか、テキパキと動く姿が印象的でした。
授業よりも大事なことは、どんな大人になりたいか
入学式での椎名先生の挨拶は、とても心に残る言葉ばかりでした。
椎名先生はうつ病で社会復帰するまでにを8年もの長い間戦ってきています。
高校生の時には、進学することで精一杯。
将来のことはまだまだ見えずにいたら、そのまま進学して、就職して社会人になってしまう。
先生の中では、この経験がだめだったなと思える出来事だったそうです。
一番印象に残った言葉がこちら。
なんとなく過ごしていると、なんとなくの人生しかやってこない
町田校では、国語や英語の授業も行いますが、勉強よりも大切にしていることがあります。
それは、どんな大人になりたいかを考えること。
大人の姿を見ながら、こんな業界があるんだ!、この世界に興味があると自分の視野をもっと広げてると可能性が広がると話してくださいました。
両親が選ぶことではなく、自分で選ぶということ
選ぶ行動は、とても大変です。
間違っていたら、何か言われないかという不安がいつも後ろにいると、怖くて自分で選ぶことができなくなってしまいます。
宇宙飛行士も、野球選手も「なりたい」と思わないと、なれません。
選ぶ大変さを乗り越えた時、町田校の先生たちは両手を広げて協力しますと言ってくださり、悩みを抱える高校生にとってこんなに心強いことはないと大人の私も感じて聞いていました。
引きこもりの居場所は仲間がいること。先輩の姿を見て感じて欲しい。
町田校では、堅苦しい入学式はありません。
式が終わると、在校生や卒業生と一緒にレクリエーションをするのが恒例行事。
先生が考えて、生徒さん同士が話せるようにと考案したレクリエーションは、2グループに分かれての対抗戦となりました。
レクの内容は、入学式に参加した人だけの秘密ですが、記事を読んでくれた方にひとつだけ紹介しますね。
前日に在校生が考えたキーワードについて、グループ内で連想する単語を出し合って得点を競い合うゲームは、一人ひとりが考える行動をするので、同じ答えになると盛り上がります!
新入生も最初は緊張している様子でしたが、卒業生が盛り上げてくれるので、最後には少し笑顔も見えてきました。
卒業生も最初は新入生と同じように緊張した日があったはず。
町田校で学んだ生徒さんが成長して、自立できている姿をみると私も目頭が熱くなる思いになります。
編集後記
入学式を終えて、私が高校生のときも「なんとなく過ごしていた」ことに気づきました。
学校が好きではなくて、アルバイトをしたりアイドルを好きになったりと、クラスで親しい友人がいなかった私も少し失敗していたのかもしれません。
しかし、高校生の時に好きになったこと、高校からの進学時に好きで選んだことは20年以上以上経った今生かされています。
新入生のみなさんにも、多くの大人に関わって世界を広げてほしいとエールを送りたくなりました。
おまけの椎名先生
式の挨拶が終わると、カメラマンに変身した椎名先生。
生徒さんたちの邪魔にならないように、そっと写真撮影。
ローアングルを狙ったりして、心理カウンセラーではなく心理カメラマンに!?
でも、私のカメラの前を通り過ぎるときはついポーズを決めてしまうおちゃめな先生!!
これからの新入生たちの成長が楽しみですね!