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第3回 傾聴の全体像

学習のポイント:あり方→信頼関係→傾聴→終わり方などの全体像を学びます。

第3回 傾聴の全体像


1.傾聴の流れ

コミュニケーションには順番があります。知り合ったばかりの人に心の深い部分を伝えるのは容易なことではありません。傾聴は以下のような流れに従って、ひとつひとつ順番にクリアしていくことで質が上がっていきます。

 

1)あり方

「あり方」については第4回〜第7回で詳しく学びますが、これが傾聴のベースになります。次のような人に傾聴して欲しいと思うでしょうか?

  • 見るからに体調が悪そうで不幸そうな人
  • 世間と関わっていないひきこもりのような人
  • 暴力団や犯罪者ではないかと思うような言動の人

逆に次のような人には話を聴いて欲しいと思うかもしれませんが、人によってテーマが違うのではないでしょうか?

  • 大賢者、長老といった雰囲気の人
  • 優しいお母さん(Great Mother)のような人
  • 気さくな先輩、お兄さん・お姉さんのような人

このあり方がなっていないと次のステップがうまくいきません。「頼りないな」というあり方の人が傾聴するのは至難の技です。

2)信頼関係

いざ会話が始まったら最初にするのが信頼関係の構築です。「あり方」次第ではこのステップは簡単に成立しますし、苦戦することもあります。信頼関係が成立する前に深い傾聴をしようとしてもなかなか心を開いてもらえません。日常的な会話や自己紹介(自己開示)をしたりして信頼関係をまず深めます。

3)状況の傾聴

一般に傾聴の序盤は状況の説明になることが多いです。家族構成やこれまでの経過など背景となる状況を伝えたいと考える人が多いからです。状況説明は「私の名前は◯◯です。◯◯出身です」という会話に近いですから、いちいち共感しないのがポイントです。ト書きの部分ですから、大きく反応せずに話を先に進めます。

4)感情の傾聴

徐々に話が進んでくると感情、気持ちについての話が増えてきます。傾聴は「情報」ではなく「気持ち」を聴くものですから、ここからが本番です。感情を込めた言葉が出るたびに「へえ〜」とあいづちを打ってみたり、うなづいて反応をしてみるとその感情にまつわる話が膨らんでくるかもしれません。

5)共感

傾聴のひとつのゴールは共感であると言えます。小さいエピソードに共感を示すのと違い、今日、伝えたかった思いを受け止めました!という意味での共感です。共感はわざとすると相手にそれが伝わってしまいしらけた感じになってしまいます。4)感情の傾聴をしっかりと行い、「共感してしまった」となるように心がけてください。話し手が十分に共感してもらえたと感じられたら成功です。

 


2.スキルアップのコツ

「傾聴の全体像」を踏まえた傾聴をする練習方法をご紹介します。

ディスカッション

3〜5人程度でディスカッションします。

1)この人に相談したい人は誰?

「聴き手」1名を決め、1分間自己紹介をします。他のメンバーはその人の見た目、話し方、声などをよく観察し、特徴をつかみます。自己紹介が終わったら、この「聴き手」に紹介したい人はどんな人かをディスカッションします。小学生かもしれませんし、経営者かもしれません。ある程度、「あり方」についての話が進んだら、役割を入れ替えます。

ワーク

1)ステップの確認

3人組になります。「話し手」「聴き手」「観察者」
「話し手」と「聴き手」は傾聴の全体像を踏まえて、傾聴を始めてください。共感できるところがゴールです。「観察者」はどの時点で信頼関係が十分になったか?状況説明が終わったか?など傾聴のステップがどのように進んでいったかをメモしながら聴きます。余裕があれば、スムーズな進行をさまたげた言動があればそれもメモします。傾聴が終了したら、「観察者」を中心に振り返ります。

3.傾聴の意義を感じた出来事

皆さんの体験をお寄せください。

注意事項)

  • 固有名詞や個人名などは「ある会社」のようにぼかして書いてください。
  • テーマに関係のない書き込みはしないようにしてください。
  • 第三者が理解しやすいような文章でお願いします。

 

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