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第5回 あり方(2)受容

学習のポイント:あり方→信頼関係→傾聴→終わり方などの全体像を学びます。

第5回 あり方(2)受容(※作成中


1.傾聴の流れ

会話には「情報交換」と「感情の共有」があります。ビジネスなどでは簡潔に用件だけを伝え、感情はあまり表現しません。忙しい社会では多くの人が「情報交換」を中心にコミュニケーションをしています。傾聴はあえて時間を取り、感情にフォーカスして話を聴くことを指します。

体験してみよう
「自分の住んでいる町の名前」「今の気分」この2つを問われた時、どちらが早く明確に答えられるでしょうか?それは、「町の名前」ですね。「名詞」はデータなので、大脳新皮質(講座の中ででてきます)から情報を検索するだけで答えが出てきます。「気分」を表す言葉は感情や感覚なのでデータ化されていません。大脳辺縁系がどんなふうにそれを感じているのか?を言語化するのは難しいものです。表現するのに時間がかかり、その言葉がぴったりかと言われるとそうでもないような気がする曖昧なものです。感情の共有は「情報交換」ほど簡単にはできないのです。

(1)傾聴 3つの特徴

普通の会話と傾聴には違いがあります。

1)「聴き手」と「話し手」

普通の会話は50%50%でお互いのことを話したり、自分のことをたくさん話すこともあります。立場の差で話せないことはあるにせよ、お互いのための時間です。一方で傾聴は100%話し手のための時間です。聴き手の価値観、常識、世界観などは脇に置いて、話し手が伝えたい感情や場面を丁寧に受け止めていきます。

2)集団ではなく、1:1

傾聴は基本的には1:1で行います。気が散りながら片手間にするものではなく、話し手に集中して聴くためにも1:1でそれも向き合えるような状況を作って傾聴をすることが一般的です。

3)「情報」より「気持ち」

これは講義の中で詳しく学びますが、人は情報に乗せて気持ちを伝えようとしています。「雨に降られて大変だった」という言葉には「雨」のような情報もありますが、伝えたいのは「大変だった」という気持ちです。「雪に降られて大変だった」「日差しが強くて大変だった」・・・情報は全く違いますが、伝えたい気持ちは近いものがあります。どちらに寄せて話を聴くかという意味では傾聴は「気持ち=大変だった」の部分に耳を傾けます。

感動を伝えたいのに
「昨日、初めてライオンキング見に行ったんだけど、迫力があってすごかった!!」「ああ、私も見たことあるよ」・・・情報に反応するとこんなやり取りになります。間違ってはいませんが、話し手は「あなたも見に行ったんですか?」と話しかけているでしょうか?「迫力があってすごかった」という感動を伝えたいのではないでしょうか?このポイントの違いが傾聴の基本になります。


2.傾聴を生かせる現場

傾聴を生かすことができる現場は様々なところにあります。また、今まで慶長とは無縁と思われてた場所でも慶長意識することでそこにいる人たちの関係が変わったり、組織が変わることが期待できます。

(1)育児

育児をしている親、特にお母さんは子供と向き合い続ける中で1人で悩みを抱えがちです。またその悩みは他人には理解してもらいにくかったり、否定的に捉えられてしまう不安があるためなかなか人に相談できません。誰かが慶長のスキルを使って、その胸の内を聞くことで、ストレスが解消されたり、自信を持って育児に取り込むことができます。
さらに傾聴は子供に対しても非常に有効です。子育ての失敗の多くは親が思い込みで子供を育てていて、自分の子供をよく見ていないことが原因で起きています。思い込みで子供を育ててしまわないためにも親が子供に対して傾聴することができるメリットは計り知れません。

(2)教育

教育現場においても軽重は非常に重要です。忙しい学校において教師は生徒との会話を短くしてしまいがちですが、短い会話で話せない問題を抱えている生徒も少なくありません。複雑な人間関係、人に話しにくい親との問題、言葉にするのが難しい心の問題、自分でも把握が難しい体の問題など相談したいけれども簡単に話せない問題がたくさんあるのです。軽重を通してそれらを聞き出すことで、生徒のストレスを軽減し、未来につなげることもできます。

(3)福祉

福祉の現場では障害があったり、認知症のような症状があったり、家族と揉めていたりと一般的な状態ではない人が少なくありません。それだけに安易に一般常識を当てはめてしまうとそれが誤解の元になります。傾聴通して一人ひとりの個人的な問題に耳を傾けたり、理解しがたい状況をきちんと理解することがより良い福祉を実現するためにもとても重要です。

(4)被災地

突然災害に遭った人にとって、自分自身が体験したことを言葉にすること自体が非常に難しいことです。それは、自分自身でも整理がつかないほどの問題であると言うことと、簡単に口にできないほど重い問題だと言う事でもあります。しかし、それをひとりで抱え込んでしまうと長期的に見ると症状悪化させてしまいます。適切なタイミングで話を聞くことができれば被災によるショックを軽減することができます。このような場面でも丁寧な傾聴が非常に重要な役割を占めます。

3.スキルアップのコツ

「傾聴の意義」について、さらに深めるための方法をご紹介します。

(1)ディスカッション

この回の意義自体はスキルではないので、習得するというとやや違いますが、「どんな意義があるのか?」をより深く、多面的に理解していることはとても重要なことです。3から6人程度でグループを作り、ディスカッションすることをお勧めします。

1)伝えにくいこととは?

傾聴でしかやり取りできない「伝えにくいことを聴く」これは傾聴の一つの特徴と言えます。どんなことが伝えやすい?どんなことが伝えにくい?ということをディスカッションすることで、忙しい社会ではこんなことを聴いてあげるチャンスがないんだなと再確認することができます。

例)
伝えやすい:名前、住所、日付など
伝えにくい:感覚、気持ちなど

2)伝えられなかった思い

過去を振り返ると「関係が壊れてしまったから」「遠慮してしまったから」「忙しそうだったから」と伝えられなかったことがあるかもしれません。もう一度チャンスがあるなら、どんな人に何を伝えたかったでしょうか?それを考えると伝える・聴くチャンスがあるときに聴いておける素晴らしさを感じることができます。

3)傾聴された体験

自らが体験したことを共有することで「ああ、そういう生かし方もあるんだな!」と気づくことができます。グループで傾聴された体験を共有するのも学びになります。


4.傾聴の際の「OK/NGのあり方」

皆さんの体験をお寄せください。

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