「お局さまがいるらしいけど、ちょっと行ってきてくれるかな?」

遠隔地のお客様で直接お会いする機会が少なく代替策としてテレビ会議でコミュニケーションこととなる。
でも、伝わらない。

つい「お局様」と言ってしまったようだ。

 

そんな時、私は数日「お局さま」に直接お会いすることになる。

素敵な笑顔に物腰の柔わらなか印象である。

 

実践心理学講座でカウセリングスキルとして洞察力を鍛えた身である。
これから一緒に仕事をしていくにあたり、観察を欠かさない。

仕事ぶりは、テキパキしていて、核心をズバリ突く伝え方。

言われた相手は、嫌味がなく、敵わないなあ、そんな感じだ。

「やはり、そうか」
想定が確信に変わった。

人は自分の伝えたいことが通じないという経験を繰り返すと、次第に諦めていく。
そして、相手にレッテルを貼ったりしながらココロに壁を作っていく。
「高齢だから」
「若いから」
「子どもだから」
「男だから」
「女だから」

 

私も昔は同じだった。
自分の弱さを見破られないようにココロに壁を立て、理論武装して相手の話を聞く。
裏には自分の落とし所にどのように誘導するか。
そんなことばかりを繰り返していた。

相手の話を聴いているようで、
何も聴いていない。

相手にはそれが伝わる。
わかってくれない人だと。

そんなことを繰り返すうちに、どんどん人との距離ができ、やがてウツと診断されてしまった。

 

そんな私が実践心理学講座に誘われて参加するようになった。
講師の椎名先生の話が楽しく面白く感動的なので、ついつい毎週通うこととなる。

実践心理学講座で、私はいろいろな人に出会った。
椎名先生の人柄もあり、普段出会えないような参加者とお話をする機会をいただいた。

不登校の子どもを持つ親
メンタル疾患に苦しむシニア
性同一性障害
生活保護から抜けようとしている方
離婚経験者
30歳以上の年の差夫婦
進学に悩む高校生
小学生
カウンセラーを目指す中学一年生
などなど
彼らを支援しようという活動をしている方

日本トップレベルのスキー選手
元劇団四季の俳優
デザイナー
中学を卒業して世界に飛び立った男の子
など普段出会えない方とも出会うことができる。

いろんな話をお聞きした。
時には、驚き、時には涙し、時には怒りを感じることも。

実践心理学講座で体験したことの一番は多様性。

人それぞれ個性的であること。
全員が自分の人生の主人公であること。
誰もがヒーローやヒロインの卵であることが信じられるようになっていた。

人に関心が向き、関わっている自分にも自信が蘇ってくる。

そんな場所が実践心理学講座だ。

日本各地にそんな場所があれば、どんなにいいだろう。
そんな思いで実践心理学講座に関わっている。