コミュニケーションがうまいか下手かは生きていくために欠かせないスキルの一つです。しかし、自己肯定感が低いことがコミュニケーションの支障になることがあります。

コミュニケーションへの悪影響

自己肯定感が低いことがコミュニケーションに与える悪影響とはどんなものでしょうか?

1.相手の気持ちがわからない

自己肯定感が低い人は自分の「不安」「自信のなさ」などで頭も心もいっぱいになっています。「自分はどう思われているだろうか?」「これで良いのだろうか?」と考えながらコミュニケーションをとっているので、相手の表面的な動きや気持ちは読み取れても真意を汲み取ることができません。トランプやマージャンをしていて、自分の手札を揃えるのでいっぱいいっぱいで相手や場を見ていない人に似ています。コミュニケーションはキャッチボールであるにもかかわらず、自己肯定感が低いがために相手の投げた球を見ずにこちらが投げたい球を投げてしまうのです。

2.安全な人になってしまう

コミュニケーションがある程度うまい人からみると自己肯定感が低い人は最初から「戦わない」ことがわかっています。牙を持っていない人と関わるときにはある程度失礼な関わり方をしたり、横柄な態度を取っても反撃してこないと判断して、つけこまれることがあります。「100%場の空気を読んで合わせる人だ」と思われてしまった時点で対等な関係ではなくなってしまうのです。

3.自分の姿が相手に映る

投影と言いますが、自分の心理状態や気持ちが相手に映し出されることがあります。自己肯定感の低い人は「不安」などの気持ちを持っていますから、相手の何気ない仕草や言葉に対してもその「不安」を通して解釈をしてしまいます。「きっと私のことが嫌いに違いない」と一方的に決めつけて「不安」になってしまったり、「私のことを評価しようとしている」と過剰に「緊張」してしまったりします。それが正常なコミュニケーションを阻害し、何もされていないのに辛い思いをしたかのような気持ちになってしまいます。

 

自己肯定感が高まるとコミュニケーションが変わる

コミュニケーションの大半は態度や勢いです。自己肯定感が高いと気持ちが大きくなり、表情が明るくなり、プラスの思い込みが強くなるのでコミュニケーションが上手になります。一方で自己肯定感が低いままだとどんなスキルを身につけてもなかなかコミュニケーションがうまく行きません。

実例)突然、親の態度が変わる

親に虐待をされて生きてきた25歳の男性がいました。彼はいまだに親と同居していて、1日何度も親に蔑まれるような言い方をされたり、ときには暴力を受けていました。確かに彼が今現在、自己肯定感が低いのは親のせいであるように思われました。しかし、彼はカウンセリングの中で未来を見出し、自分の生きる道を明確にする中で自己肯定感が高まっていきました。彼が夢に向かって動き始めたとき、彼の両親の態度が変わりました。彼の話を穏やかに聞くようになり、そのうち今までの関わり方を謝罪するようになったのです。彼の両親の中で何が起こったのでしょうか?振り返ってみれば、自己肯定感が低い時期の彼は暗く、うなだれていて、両親じゃなくてもいじめたくなるような空気を放っていました。しかし、今はキラキラと輝き、目を合わせるとつられて笑ってしまうほどです。自己肯定感は人のパワーを解放し、人間関係にも大きな影響を及ぼすんだと感じた出来事でした。

実践心理学講座/自己肯定感の高め方

実践心理学講座では主要な講義の一つに「自己肯定感の高め方」を入れています。なぜなら、家族円満、就職、恋愛、さまざまな場面で必要なのが自己肯定感だからです。自己肯定感が低いまま、学歴や資格、地位、一軒家などを手に入れても虚しいだけです。逆に自己肯定感が高ければそんな飾りに振り回される必要がないことがわかります。

自己肯定感の高め方