傾聴にはメリットばかりではありません。傾聴することによるデメリットもあります。その両面を理解して適材適所で活用することが重要です。

目 次
1.時代とのミスマッチ
2.自立心を奪ってしまう
3.組織運営を妨げる


1.時代とのミスマッチ

傾聴のベースになる考え方が作られたのは戦前です。当時は今のように社会が目まぐるしく変化したり、ITのような生活を共にしていても頭の中の世界観がずれやすい環境ではありませんでした。目の前にあるものはほぼ全ての現実であったし、1年や2年月日が流れてもそれほど重大なダメージになる事はありませんでした。
しかし、現代では非常に多くの情報が行き交い、社会の状態が大きく変化します。傾聴を続けながら数年間カウンセリングを受けていたらその間に浦島太郎になってしまいます。傾聴によって悩みが解消するメリットよりも傾聴している時間に失うものが多すぎると言うデメリットの方が圧倒的に大きいのです。だからと言って、傾聴が役に立たないと言うわけではありません。現代の社会の流れに合わせたペースで様々な心理療法と組み合わせて傾聴を活用していく必要があります。

 


2.自立心を奪ってしまう

 人は元気な人でも9割位の力を使わなければ自分自身の人生を成り立たせることができません。ですから悩みを抱えた人も自分ができる部分は自分でやり、どうしても助けが必要なところだけ人に頼るようにしないと支えている人をつぶしてしまいます。傾聴は使い方を誤ると悩んでいる人を依存させてしまったり、必要以上に寄り掛かられてしまうことがあります。悩んでる人の自立心を奪わないように気を配りながら傾聴する必要があります。

3.組織運営を妨げる

あくまでも傾聴は個人の世界観に基づいたエピソードや気持ちに寄り添う事です。時として、企業や学校などの組織内においては個人的な感情を優先しない方が良い場合も当然あります。その時に傾聴をやりすぎると思い思いの個人的な意見が乱立して組織が成立しなくなります。個人的な意見が通る場所と通らない場所を区別しつつ傾聴することが大事です。

 


<傾聴を実践的に学ぼう>

傾聴のスキルの一部は机上の空論です。多くの人が傾聴を学び、現場に出て、違和感を感じています。現場で実践できる傾聴を学んでください。