傾聴を教えるスクールの中にはミラーリングを誤解して教えているところが少なくありません。ミラーリングとは「鏡写しのようにあわせる」と言う意味ですが、話し手の仕草を鏡のように合わせることが本当に傾聴において重要でしょうか?試してみると分かりますが、「バカにしているように見える」「気が散っているように見える」「技術でなんとかなると甘く見られている気がする」「気になって話せない」のような感想を持つ人が少なくありません。それでは正しいミラーリングとはどういうやり方をすれば良いのでしょうか?

目 次
1.ミラーリングの目的
2.左右の違い
3.正しいミラーリングとは

1.ミラーリングの目的

仲の良いカップルなどがお茶をしているとそっくりな仕草で同じようなタイミングでお茶を飲むことがあります。あるいは打ち合わせをしている人たちの姿勢を見ていても意気投合していると全員が前のめりになっていたり、全員が腕を組んでいたりと鏡写しのような状態になっていることがよくあります。逆にこのように姿勢や仕草が一致しているような状態を作り出せばより良い関係性が作れると言うことでミラーリングをしている人が少なくありません。
確かに、人と人の呼吸があって、意気投合しているときにはそのような現象が起きやすくなります。しかし、傾聴するときに今からミラーリングするぞと意識をしていれば、相手にそれが同調するわけで、逆に緊張させてしまいかねません。特に傾聴を学びたての人がそれをするとわざとらしくなり、変な緊張感が高まってうまくいきません。これでは本末転倒といえます。

 


2.左右の違い

傾聴するときの席の配置にもよりますが、例えば向き合っている場合には当然相手と左右が逆になります。話し手が未来を指し示すために右手を伸ばす仕草をしている時と右側にあるものを指さして右手を伸ばしている時では意味が違います。そして、対面している聞き手にとっては左側未来ではなく過去、そして指差してるものは左側にあります。もし鏡写しのように仕草を真似ようとすれば、話してと聞き手と逆の方向を指してしまう危険性があります。
また実際に話をしている人たちをよく観察していると同じ仕草をする。同じ姿勢をとる。ということが重要なのではなく、想起している場面を共有するとか、無意識に表現しているタイムラインが一致することが重要なのです。
私の身振りに合わせないで!
私は自他共に認めるボディーランゲージが大きい人です。自分でも気にしていますが、昔からの癖でどうしても大きな身振りになってしまいます。逆に私ぐらいボディーランゲージが大きい人はあまりいません。先日、傾聴してくれた人は私の身振りに合わせて、姿勢を変えたり大きく手を振ったりしてくれました。それがあまりにもわざとらしくて「あなたはボディーランゲージがおかしいですよ」と言われているかのような気分になりました。私はボディーランゲージが大きいことを自覚していますから、私と同じように手を動かしたら明らかにおかしいです。それなのに身振りを合わせられると嫌な気分になります。

3.正しいミラーリングとは

※この部分はプロ向けの講座でご紹介しています。

 


<傾聴を実践的に学ぼう>

傾聴のスキルの一部は机上の空論です。多くの人が傾聴を学び、現場に出て、違和感を感じています。現場で実践できる傾聴を学んでください。