人は感情的に落ち込んだり、嬉しい気持ちになったときにはたくさんの話が心の中から湧き上がってきます。一方でスクールなどで傾聴の勉強をすると、ロールプレイと呼ばれる聞き手と話してに分かれた練習をたくさんすることになります。このロールプレイにはメリットがありますが、プロとして傾聴を使う人には大きなデメリットもあります。

目 次
1.傾聴力が上がるロールプレイ
2.傾聴力が下がるロールプレイ


1.傾聴力が上がるロールプレイ

傾聴において最も重要なのは自分自身のあり方です。同じロールプレイをするとしてもシチュエーションを変えたり、制約を設けると自分自身のあり方が前面に出やすくなります。多くの場合、練習と言うマインドでロールプレイをしますから緊張感がなく、大きな成長につながりません。ロールプレイと言っても話し手の琴線に触れるようなテーマを選んでみると話し手に感情がこもり、伝えたいことが次から次えと湧き上がり、本番の傾聴のようなロールプレイをすることができます。よく、痛い思いをしないで、リスクを完全に回避して学ぼうとする人がいますが、それは本番を想定しない傾聴ごっこを練習していることになります。なぜなら、本当の軽重ではほとんどの人が泣き叫び、ありが口ごもり、場合によっては感情が止めどなく出てくるからです。それを受け止め、話を先に促したり、共感をしたりして進めていくのが本当の傾聴です。練習の中でもより本番に近い環境作ることがロールプレイを通して傾聴力を上げる1つのコツといえます。

2.傾聴力が下がるロールプレイ

仲間内で練習をしすぎるとそれが傾聴だと勘違いしてしまうようになります。手順を知ってる人同士がリズムを合わせて予定調和の中でやりとりをするのを傾聴とは呼びません。なぜならば、実際の傾聴の現場で会う人とは全く違うからです。練習の癖がつきすぎていると本番で専門用語やうちわの言い回しを使ってしまい話し手が混乱してしまうことがあります。また、練習の空気に慣れてしまうと本番の緊張感に耐えられなかったり、ふざけているような雰囲気を出してしまうこともあります。本番の傾聴と乖離したロールプレイは悪い癖をつけるだけなのでお勧めできません。

 


<どうせ役割を演じる(ロールプレイ)なら>

ロールプレイにはさらに効果的な方法があります。自分自身のモードを明確に切り替えて、その役割が本番の傾聴で役に立つようにするとロールプレイなどの練習が生きます。通信講座ではそのあたりの練習方法に触れています。