傾聴が役に立った実践事例をご紹介します。

悔いの残らない人生のための傾聴

私は介護施設で支援相談員の仕事をしています。入所している高齢者は様々な疾患や、老衰により亡くなられます。状態に変化があると医師より家族に病状説明、状態説明を行います。家族は医師の話を聞き、とても不安に感じ、涙される方がほとんどです。また医師の説明にその時は理解したような返答をするのですが、なかなか実際は気が動転しており、理解できていない方も多いです。
たった1人の家族が看取りされる事で何とか悔いのないように最期を迎えて頂きたいという思いで家族の思いをゆっくり傾聴しました。家族は医師の説明は理解できておらず、医師の説明をわかりやすく再度説明します。また、家族から親にこのように育ててくれた、若い頃はどんな事が好きで等色々な話を聞く事ができます。
そのような話を聞いて例えばまだ病状が安定している方は家族みんなで最後に外食に行かれたり、好きな場所に行かれたり、自宅に戻ってゆっくり過ごされたりと家族は悔いのないように最期の時間を過ごす方が多くなり、傾聴してアドバイスをさせて頂く事により、寄り添う看取りを家族みんなでする事ができました。ゆっくりと家族の思いを傾聴する事により、その方の最期を悔いのない生活にする事ができ、傾聴し、一人ひとりの命の大切さをみんなでサポートする事は大切だと感じました。