介護の現場であるいは家庭で認知症の方とお話をするときに傾聴のスキルが非常に役に立ちます。傾聴に必要なのは情報交換ではなく相手の方が何を伝えたがっているのか?特に相手の方がどんな気持ちを伝えようとしているのか?それが重要なポイントになります。この点を抑えて、傾聴することで認知症の方の力になることができます。

情報交換が重要ではない

認知症の方は同じことを何度も繰り返して話すことがあります。情報と言う意味では先ほど聞いた話と同じ、あるいはもう聞く意味がない情報かもしれません。しかし認知症の人を中心に考えるとその方は今、自分が感じている気持ちを伝えたくて話をしています。

情報ではなく、気持ちに意識を向けると先ほど聞いた話かどうかではなく、今伝えたい気持ちがあるんだなと言うところにフォーカスすることができます。

間違っても、何度も話を聞くうちに受け答えが雑になったり、さっきも言いましたよと言うように気持ちを否定してしまうことのないように傾聴することが大事です。

認知症の方の精神的苦痛を取り除く

傾聴は親身になって話を聞いてくれる人が少ない高齢者にとって、特に認知症の方には非常にありがたい事でもあります。多くの方は自分が老化によって体の自由が利かず、世話になっていると言う思いがありますので、なかなか自分の気持ちを言葉にすることができません。

傾聴と言うスタイルでじっくりと向き合ってくれることでようやく話しにくい心の内を伝えてくれるのです。

認知症に効果がある昔話

傾聴の最中に認知症の方が過去を思い出して、笑顔で流暢にたくさんの話をしてくれることがあります。このように昔話に花を咲かせる事は認知症の進行遅らせたり、症状を緩和するなどの効果が期待できます。

このような昔話を聞く時にも傾聴のスキルを忘れずに認知症の方が伝えたい気持ちを自分に受け取るように心がけてください。