孤独で寂しい気持ちの時、共感してもらえたなと思えると気持ちがスッと楽になります。大切な人の気持ちを楽にする共感。でも、失敗してしまうとギクシャクした感じになってしまうこともあります。

共感には大きく分けて2つのタイプがあります。

1つは「今の言葉を受け止めましたよ」と言う意味合いの短い共感。
もう1つは「あなたが伝えたい気持ちをしっかりと受け止めましたよ」と言う意味の共感です。

目 次
1.短い共感
2.気持ちを受け止めるときの共感
3.共感してはいけない

1.短い共感

話をしている相手が伝えたいことを一旦受け止めてから自分の話をした方が、相手の話をしっかりと受け止めていると言う印象になります。

「今日は寒いですね。」
「札幌は雪だったみたいですよ。」

と比べて

「今日は寒いですね。」
「寒いですね。そういえば昨日、札幌は雪だったみたいですよ。」

一言、「寒いですね」と受け止めるだけできちんと相手の話をキャッチしてから答えていることが伝わります。特に話の筋を切り替えるときには、相手の言葉を受け止めて、共感を示してから次の言葉につなげるのは重要です。コミュニケーションを上手にこなそうとしたり、頭の中に言いたいことが思い浮かんでしまったりしている時にはつい自分の発言を急いでしまいます。共感をパスして次の話をしてしまったり、共感を示す「寒いですね」という言葉に気持ちが入っていないとそれが相手に伝わってしまいます。

<傾聴練習>

1)短い共感の言葉をあえて入れないようにこちらの意見を返すように傾聴する。

2)短い共感の言葉をあえて入れて傾聴する。

3)それぞれの「共感の深さ」「理解してもらえた感じ」などを比較する。


2.気持ちを受け止めるときの共感

傾聴において、話し手は情報ではなく、気持ちを受け止めてもらいたいと思って話をしています。そういう意味で共感をする際には注意が必要です。

なぜなら、安易に「わかりますよ」と言ってしまうと表面的で嘘くさい対応になってしまうからです。短く受け止めるときはそれでも良いですが、最も話したい複雑で重要な感情に対してはそうはいきません。そんなときの共感の仕方にはコツがあります。

1)ゆっくりと受け止める

共感とは相手の気持ちになって、それを感じ取ることですから、「ああ、はいはい」といった軽い感じでは受け止められません。「なるほど!!!」「そうかぁ〜」とゆっくりとその場面や気持ちを思い浮かべながら、感じ取る時間があってこそ共感をしている受け止め方になります。会話のペースを少し落として、ゆっくりと受け止めることで共感がより相手に伝わりやすくなります。

<傾聴練習>

1)いつもの3倍時間をかけるつもりでゆっくりと話を聴きます。

2)話し手のひとことをしっかり聴いて、ひとことずつに10秒吟味して、味わうように聴きます。そのエピソードの背景、気持ち、その話題を選んだ意図、その時の表情などをゆっくり鑑賞するつもりで聴きます。話し手はいつもよりも間を空けて、ゆっくりゆっくりと話をしてください。

 

2)味わう

話し手の伝えている表面的なことに加えて、その背景や経緯などを考えると共感がぐっと深くなります。あたかもその場面を体験したかのように味わうことでより深い共感をすることができます。

気持ち悪い先生の共感

不登校の経験がある子供たちと接していると学校の先生の中には気持ちが悪い対応する先生がいると話題になることがあります。不登校経験のある生徒が登校してくると先生が駆け寄ってきて、

先生「よしよし、大丈夫だった?よく大変な中、学校までやってきたね!えらいね!」
生徒「いや、別に今日、体調悪くねーし」

共感をしている自分に酔っているかのような先生は生徒から冷静な目で見られています。昨日まで不登校があったからと言って、今日その子が元気か、調子が悪いかわかりません。それなのに、確認もしないで、状況も把握しないで、「わかるわよ」と言う対応されてはむしろ心が傷つきます。

3)傾聴の序盤の会話の流れが重要

※これはプロ向けの講座でご紹介しています。

4)共感を深める裏技

ラポールが築きにくい人や会話が成り立ちにくい人に対しては強制的に共感を深める方法もあります。普段のカウンセリングの手順を変えてアプローチすることで上記とは別の角度から共感を深めます。

※これはプロ向けの講座でご紹介しています。


3.共感してはいけない

※この部分はプロ向けの講座でご紹介しています。

 


<共感できる人になるための傾聴講座>

多くの人と共感できる人は豊かな生活を送りやすいと言えます。「よろこび」「さみしさ」「葛藤」そんな気持ちを受け止め、共感し、わかちあう。忙しい人が多い現代ではそれこそが多くの人の力になります。