不登校でも学校に行きたいと思える教室へ。精華学園町田校の卒業式に参加してきました
こんにちは。
春は別れと出会いの季節です。
椎名先生が校長を務める「精華学園高等学校 町田校」にて、3月10日に卒業式が行われました。
今年の卒業生は10名。
これまでの道のりは決してスムーズではない子どもたちが、自分の力で色々なことをクリアできたことは、本当に素晴らしいことです。
見送る先生たち、そして保護者の方、そして椎名先生とともに迎えた卒業式のご報告です。
このページの目次
精華学園高等学校の町田校はどんなところ?
正式名称は
学校法人 山口精華学園高等学校(せいかがくえん)です。
山口県に本校をもつ精華学園は、広域通信制・単位制の高等学校です。
全国に約40校あり、各学校によって特色ある履修制度があります。
全国すべての都道府県から入学することができ、生徒は自分に合わせた科目を選択し必要な単位を取得して高校を卒業できます。
卒業後は自分の夢に向かって進学する生徒さんもいます。
学校って本当は楽しい、みんなと会えることが良かった、そう思えるような学校づくりを行っている数少ない教育機関です。
町田校は不登校や家から出にくい悩みを抱えた人のための学校
椎名先生が校長を務める町田校はどんな特色があるのでしょうか。
全国でも、町田校は少し特別です。
さまざまな理由から、学校に行くことができなくなった、家から出にくいなどの悩みを抱えた方が通っています。
途中から編入してくる学生も多く、最初から週5で通学は難しいため、心理カウンセラーが家庭訪問を繰り返して、一緒に遊んだり話をしながら、悩みを少しずつ解消していきます。
先生にお話を聞いたところ、調理実習では自立できるようにホットプレートを使った料理を教えてくれるそうです。
スクーリングは、勉強だけではなく課外学習や調理実習で物事を楽しむ心を育てていきます。
町田校は椎名先生を筆頭に、さまざまな社会人のみなさまからの支援で成り立っています。
声優・画家・保育士・お花の先生など、そうした「人生の先輩」から間近で話を聞くことで
自分の人生を思い描いて
人生の「この人になりたい!」を見つける
そんな気持ちが生まれるよう高校生活をサポートしていきます。
引きこもりの経験から進学という希望へ
卒業式では、3つのお話が椎名先生から卒業生に贈られました。
とてもじんわりくる、素敵な内容でしたのでここでご紹介しますね。
何かやりたいという目的が自分を動かす
椎名先生が高校を卒業した頃、ちょうどパソコンが普及し始めた頃でした。
パソコンを買ってみたけれど、周りからは
買ってどうするの?
それで何をするんですか?
目的がない人にとっては、高価なパソコンもただのプラスチックの箱でしかありません。
流行に乗って買ってみたけれど、何をしていいか分からない。
今の社会も、目的がないままに過ごしている人が多く、自分の道を自分で考えることができない人が増えているそうです。
目的とは一体どんなことを指すのでしょうか。
ふらふらと散歩をしていて、急にデザイナーになる人はいませんよね。
散歩から帰ってきたら、お父さんが宇宙飛行士になってた!あらすごいわ!そんなことも絶対ありません。
デザイナーになりたい
宇宙飛行士になりたい
音楽をつくってみたい
物書きになりたい
料理家になりたい
なりたいと思ったから、そこが目的になります。
目的がなかったら、いつまでも散歩している人のままです。
自分の道は自分で目的を持って考える、ということを教えてくれました。目的はいつか夢になり、目標になり自分を支えてくれる大事な柱になってくれるはずです。
ひとりで頑張ることには限界がある
次に、仲間の存在です。
どんなにすごい人でも、ずっと1人でコツコツやりつづけている人はほとんどいません。
1人でがんばっても、心が折れてしまい、いつしか心が病んでしまいます。
卒業しても仲間の存在があれば、いつか困った時に助けてくれたり、何か大きなことができるかもしれません。
繋がっていけば、大勢になって何かできるかもしれない。
1人でがんばらなくてもいいんだよ
1人と思わないで
卒業式を迎えた生徒さんたちは、じっと椎名先生の話を聞いています。
自分の人生は今日で終わりじゃない
最後にお話してくれたのは、感謝の気持ちを持つことでした。
大変な道のりを経て、やっと卒業できた生徒さんには、まだ感謝を感じてもらうのは難しいかもしれません。
ふと、気持ちに余裕が出てくるときに考えてほしいのは今までを振り返ることです。
それは辛いことかもしれません。
楽しいことがなかったかもしれません。
でも、辛かった後ろには支えてくれた家族や町田校の先生たち、話しかけてくれた友達のことを考えてみると、人生が落ち着いてくるよと話してくれました。
町田校は、卒業してもずっとあります。
だから、いつでも戻ってきていいんだよ。
椎名先生の言葉は卒業生にどのように響いたのでしょうか。
先生の想いがあふれる手作りの卒業式
町田校の卒業式の内容を少し紹介します。
卒業生が参列
私達が経験してきた卒業式は、在校生、先生、保護者が参列していました。
しかし、精華学園町田校では卒業生が一緒に参加できる仕組みになっており、後輩は先輩に会えるチャンスが増えます。
これには、取材をしている私が一番びっくり!
今回参加してくれたのは、3名の卒業生。
写真撮影をお手伝いしていたり、緊張する生徒さんに話かけて「写真撮ろう!」と誘う姿は、先輩そのもの。とても頼れる存在に成長する姿は誇らしいですね。
椎名先生は卒業生にびっくりせず「久しぶり〜」と和やかな雰囲気。さすがです。
先生との再会や、近況報告、大学の情報など話はつきません。
先生が解説するスライドショー
最初から最後まで手作りがあふれる卒業式でした。
私もぐっと来たのは、スライドショー。
町田校の矢部先生が楽しそうに解説しながら、時には思い出を語りながら笑いが出たり、椎名先生からツッコミが入ったり、終始和やかでした。
目を見てお祝いする卒業証書
卒業証書授与は、椎名先生から1人1人手渡しで卒業証書が渡されます。
1人ずつ名前を呼んでもらえるのは最後。卒業生は緊張の面持ちです。
卒業できた生徒さんの中には、進路に悩みがある人、まだ家から出ることができない生徒さんには家庭訪問や個別で証書を渡すそうです。
1人ひとりに合わせた無理のない範囲で、高校を無事に卒業できるように町田校ではサポートをしています。
編集後記
私自身、学生時代の卒業式に出ることが出来ませんでした。
両親も忙しく、自分も社会人への第一歩を歩き出していて出席できなかったことを、ふと思い出して、保護者の方や先生にあたたかく見守られて卒業できることの良さを改めて実感しながら取材していました。
途中であきらめずに、支えてくれる人に感謝しながら、この日を迎えられたことに拍手したいですね。
◆本日のおまけ◆
当日、宅急便で届いた荷物を見せてくれた椎名先生。
「みてみて~!」と嬉しそうに手にしているそれは、まさか・・・!
チロルチョコではありませんか!
先生直筆の似顔絵入りの「デコチロル」です。かわいいー!
世界に1個?だけの椎名先生特製チロルチョコを手にした方は春の運勢バッチリですよ!
校長先生なのにお茶目なところが先生らしいですね。