【体験談】新婚生活がうつ病に
うつ病によって変わってしまった新婚生活
社会人2年目、結婚してすぐ、うつ病を発症しました。幸い、主人が指摘してくれたおかげで、初期での受診となりましたが、ごはんもろくに作れない、家事もできないなど、思い描いていた新婚生活はかけ離れた現実に、落ち込むばかりでした。
協力的なご主人だからこそ申し訳ない
主人はとても協力的で、私が頑張らなくて済むように、仕事をしながらほぼ全ての家事を担ってくれましたが、私はそれが申し訳なくてたまらない。自分もなにかしたいのに、体が重くて動けず、薄暗い部屋で横になるばかり。主人が掃除機をかける音を聞きながら、このままどこかへ飛んで行ってしまいたいと思っていました。
うつ病のせいで優しさが見えない
ある日、少し体が軽かったので、夕飯の支度をして主人の帰りを待っていたときのことです。帰宅して、私が台所に立っているのを見つけた主人が、「やらなくていいのに!」と怖い顔で近寄ってきて、私から包丁を取り上げました。おそらく、ほかの人が見れば、主人が「心配そうな顔で」「優しく包丁を置かせた」情景だったと思いますが、私は主人の心配を「怒られた」と捉え、優しさを「嫌がらせ」と捉えてしまっていたのです。少しでも前進しようと思って、チャレンジしてみたのに。私はまだ何もしてはいけないんだ。これは夫には迷惑なんだ。・・・その時は、そのようにしか、考えられませんでした。
うつ病体験者による一筋の光
水中メガネでもつけているかのように視野が狭くなっているうつ病の時には周囲の優しさを感じ取ることも容易ではありません。うつ病の倦怠感、思考力の低下によって自分のことで精一杯、それさえもままならない状態では元気な人の優しさはなかなか理解することができないのです。そんな時には闘病経験がある人が役に立ちます。同じ経験をした人が同じようなポジションから話しかけることでそっと優しさを伝える事ができます。それは真っ暗闇を照らす一筋の光のようでもあります。